投稿77:自咬症

最初気がついた症状は:
 先住プレを買ったショップで新しく入荷した仔プレ(生後3ヶ月とのこと)で、怪我をして後ろ足を一本無くした子を見て、引き取ってきました。

症状についてコメントがあれば:
 ショップの話によると、ケージの角によじ登って遊んでいてどこかに挟んで怪我をしてしまったようです。外見は擦り傷程度に見えたらしく放置していたら、じつは骨折していたようでしばらくして、壊死した足を自分で噛みちぎってしまい、あわてて病院へ連れて行ったそうです。私が見たときは入荷後1ヶ月、怪我をして半月ほどとのことでしたが、まだ肉も骨も見えていて痛々しい状態で、元気はまだあるもののほとんど食欲がなく、ガリガリに痩せて腰骨が浮き出ていました。ショップが病院でもらったという、ヨードチンキを脱脂綿に浸したような消毒薬をつけると、嫌がって傷をいじってしまうので心配になり、我が家のかかりつけの獣医さんでみてもらいました。

どんな検査をしましたか:
 問診、触診のみ。

診断結果は:
  最初の診断では、自咬症とはわかりませんでした。かさぶたになった所を気にしてはいましたが、エサも何粒しかたべない状態ではエリザベスカーラーは負担が大きいかも...という事でカーラーはつけず、飲み薬(白くて甘い抗生物質?)を1日2回飲ませて様子をみることに。2、3日で少し傷が乾きはじめ、少しずつですが食欲も出てきて、順調に回復していました。1週間目に経過を見てもらった時も「すこし痒がっているけど順調」との事でした。そして傷もだいぶ乾いてきた10日目、3時間程外出して帰宅すると、ガリガリと音を立てて傷口を噛んでいました。巣箱の中には骨のカケラのようなものも落ちていて、あわてて病院へ連れていき、その時に初めて自咬症だとわかりました。

治療方法は:
 不幸中の幸いか、骨を齧ったのがちょうど関節の所までだったので、残った皮の部分を骨にかぶせて縫い合わせ、傷を噛まないようにエリザベスカーラーをつける事になりました。麻酔は局部麻酔で、3人がかりで押さえて縫っていました。手術後、飲み薬を続ける事と、自咬症はノイローゼ的な要素もあるので、とにかく自分の足以外に興味がいくように、先住プレとケージを隣り合わせにするように指導を受けました。 (それまでは安静にさせようと思い、先住プレとは別室に置いていました。)

その後の経緯は:
 手術後、縫われた事とエリザベスカーラーをされたことがかなりショックだったらしく、1日半巣箱から出てきませんでしたが、2日目の夜には出てきてぽりぽりエサを食べ始めました。先住プレとは、お互いに匂いを気にしている様子だったので、ケージを隣に置く事は不安がありましたが、やはり足ばかり気にしてしまうので、思いきって隣に置いてみました。結果、これがかなり効果があって、だいぶ気がまぎれた様です。4、5日後、一度カーラーが外れてまた少し齧ってしまい、もう一度縫いましたが、その後は飲み薬を続けて順調に回復し、手術後一月半程できれいに傷がふさがりました。カーラーはすぐにとるのは恐くて、カーラーがとれるまでにはあと一月程かかりました。カーラーをとってしばらくは心配でしたが、もう齧ってしまう事はなく、すくすくと元気になり、いまでは先住プレよりたくさんエサを食べるようになりました。半年後には、後ろ足一本とシッポで上手にバランスをとって立つようになり、初めて立ったときは涙がでました。今ちょうど一才になり、先住プレ(3才半)にくらべるとかなり小さめですが、幼い頃に手術したり、いろんなひとに保定してもらったおかげ か人見知りせず、物怖じしないワンパク坊主に育ちました。あんな大怪我をしたのに、かなり恐いもの知らずなので、また怪我をさせないように気を付けています。

他の飼い主さんにアドバイスがあれば:
 先住プレが病気もせず元気な子で、飼育書は持っていたものの病気の項はほとんど読んでなくて、この子がくるまで自咬症のことをしりませんでした。病院で自咬症と言われて病気の項を読んだらちゃんと載っていて、反省しました。もし、ちゃんと自咬症の知識があれば、何度も痛い思いをさせずにすんで、足ももう少し長く残ったかもしれないと思うと、この子に申し訳ない気持ちでいっぱいです。安静にさせたいために、ケージにタオルをかけて隔離したことや、ケージ内を清潔にするためにと、血が付いたかじり木などの遊び道具をだしてしまった事も、他に興味がいかなくなって自咬症を悪化させてしまったようです。こんな判断ミスをしないように、環境の事などもきちんときいておくんだったと、とても後悔しました。いろんなケースがあると思うので、いちがいにこの治療法!とは言えないと思いますが、げっ歯類は自咬症になりやすいそうなので、小さな傷でも油断せず、早めに獣医さんに相談したほうがいいと思います。なにより怪我をさせないことが一番なので、ケージの構造や部屋で遊ばせる時は十分気を付けてあげてください。  

投稿:まいこ様


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